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今年はクリムト関連の展覧会が多く開催されています。規模は小さめながら、クリムトやウィーン分離派に関連する展覧会に行ってきましたので、レポートしたいと思います。

# 1.開催概要

目黒区美術館は初めてでしたが、桜で有名な目黒川沿いの落ち着いたところにありました。駅から少し遠いですが、十分歩ける距離です。

名称 京都国立近代美術館所蔵 世紀末ウィーンのグラフィック-デザインそして生活の刷新にむけて
会期 2019年4月13日(土)~2019年6月9日(日)
開館時間 10:00〜18:00
開催場所 目黒区美術館
料金 一般 800円
公式ホームページ http://mmat.jp/exhibition/archive/2019/20190413-63.html

# 2.ウィーン分離派とは

クリムトを中心とした芸術家のグループ名称です。1897年に設立されています。当時主流であった芸術家の団体に対して、その保守性に強く反発する形で設立されたため、分離派と言われています。

分離派は当時ヨーロッパにいくつかありましたが、分離派の中では唯一独自の展示施設を持っていました。これが今でも残っているセセッション館です。クリムト自身は1905年に芸術の商業主義に対する考え方の違いから、ウィーン分離派を離脱しますが、分離派自体は活動を続けました。 ただ、主に美術史上に残る活躍をしていたのは、1905年までとされています。

# 3.混雑状況はどう?

休日の午後に訪問したのですが、混雑はありませんでした。区の美術館ということでさほぼ大きな展示施設ではありませんでしたが、混み合うことなく、非常に見やすい状態でした。 (5-10人ぐらいのお客さんがいらっしゃる感じでしたので、全く人がおらず、逆に居づらいということもありません。)

規模が小さめなのであまり知られていないのかもしれませんね。

# 4.展示内容はどうだったのか?

4つの章立てになっていました。個人的には少し、章のつながりがわかりにくかったかなと言った印象です。

章題 内容
1 ウィーン分離派とクリムト ウィーン分離派が結成され、発刊された機関誌『ヴェル・サクルム(聖なる春)』を中心とした紹介。クリムトやシーレなどの素描画の展示。
2 新しいデザインの探求 当時発展してきたカラー印刷、写真製版を中心とした図案集が数多く発行されており、その内容の紹介。絵画だけでなく、ウィーン分離派に属していた建築家たちの取り組みにも言及。
3 版画復興とグラフィックの刷新 写真の発展とともに絵画の役割が変化、ジャポニズム文化も相まって、多色木版画がブームになってきており、その作品群の紹介。リトグラフなども多く制作され、芸術が廉価で身近なものになってきた様子がうかがえる。
4 新しい生活へ ポスターやカレンダーなどを通じて日常生活に入り込んでいくグラフィックなデザイン、書籍の装丁、挿絵などの紹介。

クリムト展は東京都美術館で開催されています。レポートはこちらからどうぞ。

TIP

クリムト展の感想はこちら → クリムト展@東京都美術館

# 5.感想はどうだったのか?

規模が小さいながら、内容は非常に充実していたように思います。有名な作品群があるわけではないのですが、ウィーン分離派から発生してきている、自由な芸術活動がすそ野を広げて最終的には生活に入り込んでいく流れ自体はよくわかりました。

ウィーン分離派という言葉では特に語られることはありませんが、当時はアールヌーボーといった美術運動も盛んにおこなわれていた時期でこれらも含めて、デザイン性が洗練されたという流れになったのだと思っています。アールヌーボーとの関連なども記載されているとさらによかったのかもしれません。

芸術が人々の身近なものになっていくその境目をうまくつかみ取るためには、見ておいて損はないと思います。

# 6.巡回はするの?

題名のとおり、京都近代美術館で2019年1月12日(土)~ 2月24日(日)開催済となっています。 この後の巡回はないみたいなので、ご興味のある方はいまのうちにぜひ。