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美人画が多く産出されたラファエル前派の展覧会があると聞き、行ってきましたので、レポートです。

# 開催概要

名称 ラファエル前派の軌跡展
会期 2019年3月14日(木)~6月9日(日)
開催時間 10:00〜18:00
開催場所 三菱一号館美術館
入場料 一般 1700円
公式サイト https://mimt.jp/ppr/

# ラファエル前派とは何か

ラファエル前派同盟は、19世紀の中頃にヴィクトリア朝のイギリスで活動した美術家・批評家のグループ名です。具体的には1848年に当時の若手の画家7名によって結成され、ロセッティ、ホルマン・ハント。ミレイなどが有名です。 イギリスの絵画史に大きな功績を残しました。

当時イギリスではロイヤルアカデミーが公的な芸術家養成機関として設立していましたが、その方針に反旗を翻しました。ロイヤルアカデミーでは、イタリアルネサンス期の巨匠であるラファエロの画風が至上とされ、指導されていましたが、これが画家を型通りの描き方に縛り付けてしまい、人間感情の表現から遠ざけてしまっているというのが、ラファエル前派同盟の主張です。名前の由来はここにあるようです。

中世美術の簡素で真実味あふれる表現をよみがえらせることを目標に掲げて活動していきました。

# 混雑状況はどうだったのか

訪問したのは、休日ではありましたが、混雑しているという感じではありませんでした。十分、余裕を持って絵画と向き合うことができましたので、しっかりと堪能することができたと思います。

途中、ラファエル前派の章で写真を撮っていい部屋があります。撮っていいので、自由に写真を撮ればいいのですが、どうしても写真を撮ることが優先になってしまい、絵画と十分に向き合う時間をとることができない(写真を撮りたいひとが横で待ってしまっている状況)ことがありました。

そういう人は写真を撮ればまた譲ってくださるので、また向き合えばいいのですが、少し間が抜けた感じになってしまうのかもしれません。

また、来ている方は比較的年齢層が高く、シニア世代が多かったように感じました。ラファエル前派自体がそれほど有名ではないからなのかもしれませんが、目の超えた方々が多いのではないかと思いました。

なお、男女問わず、1人で来ている方が多かったように思います。しっかりと美しい絵画と向き合いたいという思いが強かったのではないでしょうか?

# 内容はどのようなものだったのか

あまり広くない美術館ではありますが、かなりの点数の絵画や作品が展示されていました。 見どころは何といっても第2章だと思います。

章題 内容
第1章 ターナーとラスキン 今回はラスキン生誕200年記念となっているのですが、ラファエル前派をささえたラスキンとラスキンによって見出されたターナーの作品(主に風景の水彩画)を展示
第2章 ラファエル前派 この展覧会のハイライトともいえる章ですが、最初の部屋に限っては写真撮影もOKとなっています。ラファエル前派の画家たちが描き出す写実的な美しさが堪能できる絵画が展示されています。
第3章 ラファエル前派周縁 ハント,ダイス,レイトンなど同時代に活躍した画家たちの作品を展示。ラファエル前派同様の写実的な絵画が多くきれいな絵画に心が穏やかになります。
第4章 バーン=ジョーンズ ラファエル前派の次世代であるバーン=ジョーンズに特化した章となっており、存分にその内容を堪能することができます。
第5章 ウイリアム・モリスと装飾芸術 今でも人気の高いウィリアム・モリスが描いた絵画や作り上げられた家具などが所狭しと並んでいます

# 展覧会の感想はどうだったのか

ラファエル前派自体は、以前にも展覧会に行ったことがあったので、美しい絵画が数多くある印象を持っていました。

事実、美しい絵画が数多くあり、ラファエル前派の特徴を改めて認識することができる展覧会だったように思います。

今回は、ラファエル前派立ち上げ時からのロゼッティらだけでなく、第2世代と言われる、バーンやモリスの作品も数多く展示されており、ラファエル前派の考えが長く継承されていったことがよく分かりました。

ラファエル前派は写実的に美しいものも美しく描いているので、見ているほうとしても非常に気分が晴れやかになる作品が多いように感じました。

ロゼッティの作品に登場する女性の美しさもさることながら、ものを写実的に捉えている点では、写真と間違うような作品もあり、見所は満載だったように思います。

気になるところとしては、解説文を読んでいると、ラファエル前派の絵師とその人間関係(特に女性関係)が気になってしまったことはあるのですが、それを前提とするからこその絵画の美しさと捉えるといいのではないかと思うこととしました。

# 巡回予定はあるのか

巡回は2か所実施予定のようです。美しい絵画に興味がある方はぜひご覧ください。

2019年6月20日(木)~9月8日(日)久留米市美術館

2019年10月5日(土)~12月15日(日)あべのハルカス美術館