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クリムトといえば、金箔をちりばめた絵画制作と独特の世界観で有名です。そのクリムトの過去最大級という謳い文句である展覧会に行ってきました。

# 開催概要

名称 クリムト展 ウィーンと日本 1900
会期 2019年4月23日(火)〜 7月10日(水)
開館時間 午前9時30分~午後5時30分 ※金曜日は午後8時まで(入室は閉室の30分前まで)
開催場所 東京都美術館 企画展示室
料金 一般 1800円
公式ホームページ https://klimt2019.jp

# クリムトとは?

著名な名前ですので、お聞きになったことはあろうかと思いますが、1900年代前後に活躍したオーストリアの画家です。女性の肖像画が多く、時に官能的な要素も含めた絵が有名です。金箔を絵画にあしらっているものもいくつか存在していますし、当時はやっていたジャパニズムの影響も色濃く受けているのが特徴です。とくに有名な絵画として『接吻』があります。

# 混雑具合はどうだったのか?

ゴールデンウィークの最中に行ってきました。朝10時ぐらいだったのですが、時間にして20分待ち。それほど待たされずに入場できたほうかと思います。おそらく、会の後半にはさらに待ち時間が長くなるものと思いますので、ご興味のあるかたは早めに行かれた方が良さそうです。会場の中は、しっかりと混雑していました。順番に一番前で見ながら進もうと思うと、待ちがそれなりにありそうです。

二列目でよければ、比較的スムーズに鑑賞できました。クリムトの作品はその細部まで見て見たくなる作品が多いので、小型望遠鏡で覗き込む方もたまにお見受けしました。覗き込まれている間に少し列の隙間ができたりすることがあったので、するっと前へ詰めることができたりするのは、クリムト作品ならではなのかもしれませんね。

また、客層ですが、ほかの展覧会に比べて男性も多いように見えました。通常の美術展だと男性は女性と一緒にいらっしゃる場合が多いように思いますが、単独の方も多かったですかね。年齢層はまばらながら、男女ともシニア世代が多く感じました。

公式ツイッター情報はこちら

# どんな内容だったのか?

章立ては次のように構成されてました。チャプター5が今回の展覧会のハイライトですね。東京都美術館の場合、地下→一階→二階の順序で回りますが、一階に登ったあたりのチャプターがハイライトになっていることが多い気がします。構成しやすいのですかね?

章題 内容
1 クリムトとその家族 グスタフクリムトやその家族の写真を中心に展示。姪であるヘレーネ・クリムトの肖像は非常に繊細な書きぶり。
2 修行時代と劇場装飾 師匠のハンス・マカルトや同僚のフランツ・マッチュ、弟のエルンストとともに劇場装飾時代を描く。
3 私生活 生涯結婚しなかったクリムトだが、14人子供はいたとされ、その私生活を取り巻く女性陣を紹介。
4 ウィーンと日本1900 ジャポニズムの影響を受けているクリムトの作品やそのころのウィーンでの絵画の紹介。
5 ウィーン分離派 ユリイトやベートーベンフリーズなどいわゆるクリムトが詰まっている。
6 風景画 30代半ばからはじめた風景画。ウィーンでは決して描かなかったという風景画。ゴッホの影響も見える輪郭ある花、丘の見える庭の風景など展示。
7 肖像画 自分に興味なく他人、女性に興味があるクリムトらしい、女性の肖像画
8 生命の円環 父や弟の死などから生命の連環がテーマに。女の三世代など生死に関する作品の展示。

同じ時代の展覧会は他にもありますので、よかったら見てください。

ウィーンモダン展@新美術館

世紀末グラフィック展@目黒区美術館

# 感想は?

クリムトの絵画をこれほどまとまってみたのは初めてだったので、その世界観や絵のすばらしさを堪能することができました。ベートーベンフリーズは本来ウィーンに行かなければみることができないわけですが、その複製をウィーンの分離派会館(セセッション館)と同じような部屋に仕立て上げてあったことで、本場の感覚を味わうことができました。個別の絵画ではユディトⅠがやはり、ハイライトになっているだけあって、よかったです。ヘレーネ・クリムトの肖像も愛情の深さを感じられる作品でした。

彼の作品はいたって平面的な絵が多いように感じますが、これがクリムトらしさなのだと思います。代表的な作品である接吻やベートーベンフリーズのラストでも男女が重なるように描かれており、彼の作風の象徴のようにも感じます。背景の細かな丸や四角の配置もその平面的な要素を上乗せしていると思います。その一方で、背景に様々に色や丸、四角といった要素を付加していることで、その場面の感情を表しているような感じにも思えました。

女性に関心があるとしているクリムトは描かれる女性の顔が写実的で、全体の平面感とのギャップも特別な要素に思えます。上気した顔の女性は非常に美しく、女性への関心の高さ、女性に囲まれた生活が、絵画の中にしっかりと現れているように思いました。

# 今後、巡回予定はあるの?

豊田市博物館に巡回されるようです。お近くの方はぜひご覧ください。

豊田市美術館:2019年7月23日(火)〜 10月14日(月・祝)