塩田千春展―魂がふるえるに行ってきた

塩田千春展―魂がふるえるに行ってきた

大人気で評判がいい塩田千春展にようやく行くことができました。
見てみるとその良さが本当によくわかりました。

開催概要

名称

塩田千春展:魂がふるえる

会期

2019.6.20(木)~ 10.27(日)

開館時間

10:00~22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※ただし10⽉22⽇(⽕)は22:00まで(最終⼊館 21:30)

開催場所

森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

料金

一般 1,800円

公式サイト

https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/shiotachiharu/

作家:塩田千春とは?

  • 敬称略とさせていただきます。

現代アーティストとして活躍されている塩田千春は大阪府岸和田市出身で、現在はドイツのベルリンに在住だそうです。
1972年生まれで2019年では42歳ですね。
京都精華大学で洋画を学んでいたそうですが、油絵を描いている自分に嫌気がさしたとのエピソードが紹介されていました。
1993年からオーストラリア国立大学キャンベラスクールオブアートに交換留学生として留学。この中でインスタレーションやパフォーマンスをはじめていく、今日の活躍のベースとなったようです。
1996年、ハンブルク美術大学に入学。その後、ドイツが活動拠点となったそうです。
1993年から各種の国際展示にも出品し注目を集めている現代アーティストです。

混雑状況

訪問したのは9月下旬の休日。天気もまずますの日和でした。
14時ぐらいに六本木ヒルズに到着しましたが、入り口に掲載されている待ち時間はおおよそ20分。

六本木ヒルズの森美術館、森アーツギャラリーはチケットを引き換えするのに少し時間を要しますね。
チケット引き換えの待機列で少し待ちはしましたが、森美術館前は待機列なく、入場することができました。

20分とありましたが、それほどの時間は感じませんでした。

森美術館の中はそれなりに人がいるなぁといった印象です。
ただ、混みすぎているといった感じもなく、写真撮影をしようとして、人が必ず写ってしまうといったこともなかったです。
少し待てば、ふっと人がいなくなる空間ができるといった感じ。

鑑賞していても作品の世界観に浸れる程度の混雑具合だったように思います。
とはいえ、人がいないわけではないので、どっぷりと作品の世界に浸りたい人には少し人が多い印象もあるかと思います。
休日なら夕方から夜、または平日に訪問してみるのが良いかもしれません。

休日ということもあってか、いろんな年齢層の方がいらっしゃいました。
大学生からシニア層までかなりの幅があったように思います。
若い方は写真撮影が可能なこともあって、インスタ映えスポットとして見に来ている方も多かったように思います。

一方で、六本木という土地柄もあったのかもしれませんが、思いのほか外国人の姿も多く見えました。
中国・台湾系の言葉も聞こえてきましたし、ハングルっぽい言葉も聞こえてきて、国際色豊かな方々が多い印象も受けました。

展示内容と感想

塩田千春の個展でしたので、塩田千春のこれまでの作品の集大成ともいえる展覧会でした。
全部あわせても3桁いかない程度の出品数ですので、見やすい展示数だと思います。
大規模なインスタレーションは4,5点です。また、今年の新作も何点か出品されていました。
過去の展覧会の作品もパネルで紹介されていますので、塩田千春がこういった作品群を発表しているきっかけのようなものがつかめるかもしれません。

【どこへ向かって】

どこへ向かって
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表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際 ライセンスでライセンスされています。

玄関ホールに展示されている作品なので、中には入る前から鑑賞することができます。
黒いワイヤーと白色の船。
船は白い糸のレイヤーで表現されていて、その糸は複雑に絡み合っています。
黒いワイヤーが雨のように感じられて、船か嵐の中で航行しているような雰囲気を受けました。
複雑なしがらみの中、生きていく人間模様なのかもしれないように思えました。

作風が近いという感じだと、銀座シックスにも展示されています。こちらは銀座シックスの中央にあって、無料で見ることができますよ。

【不確かな旅】

不確かな旅
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ポスターにもなっている代表的な作品です。
小舟から赤い糸が立ち上がっており、複雑に絡み合っています。
最初の印象としては、小舟から立ち上る炎のような感覚に思えたのですが、天井いっぱいに広がっていく赤い糸を見ていると、それらが血管のようにもみてきました。
血管のようにも見えると、そこからは展示室が大きな体内のような感覚となり、人の体の中に入り込んでしまったかのような錯覚を受けます。

複雑に交差する糸は毛細血管にも見えますし、人と人の関わりの複雑な関係を表しているようにも思います。

作品を見ていて思ったのが、ほぼ、結び目が見えないこと。一本の糸が縦横無尽に走っているのには若干の狂気すら覚えます。

【静けさの中で】

静けさの中で
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焼け焦げたピアノと椅子。それらをつなぐ黒い糸。

塩田千春の幼い頃の記憶で隣家が火事になったときに残っていたピアノからインスピレーションを得て、制作されたとのこと。
作品を見て、その説明を読んだ中で思い描いたのは、黒い糸が黒煙のようだということ。黒煙が作品全体を包み込み、充満していくような感覚になります。
糸はきちんと張られているので、直線のみで構成されているのですが、その中に曲線を感じることができます。
曲線が感じことにより、作品全体の立体感がより強く感じられるように思いました。

【時空の反射】

時空の反射
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ウエディングドレス2着が黒い糸に覆われた空間にある作品。
なのですが、単なる見た目とは少し違います。2着あるドレスを同時にみれることは
マジックミラーなども使って時空のゆがみが表されているようです。

【集積―目的地を求めて】

集積―目的地を求めて
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使い古されたスーツケースが徐々に上っていくような形になっている作品。一部のスーツケースは動いていました。
スーツケースは人々の旅路の象徴のようで、登って行くようになっているのは、目的地を求めて一歩ずつ前に進んでいる感じを受けます。

【外在化された身体】

外在化された身体
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2019年の新作。塩田千春自身の病気によって身体がバラバラになるような感覚から表現されているようです。

ここは糸ではなく、牛革を赤く染めたものが使われていました。網目状に垂れ下がったものは、内臓の周りの血管を見ているような妙なリアリティがあります。
マネキンの手足か床に散らばっている様は、物理的な身体と精神が切り離されたそんな感覚も受けました。

巡回予定

公式サイトによると、以下の日程で巡回を予定しているようです。
とはいえ、すべて海外の美術館のようですね・・・。
日本国内は森美術館でしか実施しないようですので、ぜひ見れる方は見ておいて損はないと思います。

  • 2019.12.17(火)~2020.4.14(火)(予定)
    釜山市立美術館(韓国)
  • 2020.6.27(土)~10.5(月)(予定)
    クイーンズランド・アート・ギャラリー/ブリスベン近代美術館(オーストラリア)
  • 2020.11.21(土)~2021.2.23(火)(予定)
    ヌサントラ近現代美術館(インドネシア)

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